ペテガリ岳~コイカクシュサツナイ岳 第2日目(2005・7・31)

==== 第2日目 ペテガリ山荘へ・7月31日 =====
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/y/yamatabi-hanatabi/20010101/20010101000300.jpg
(遠くの開けた斜面に咲く花は何の花?)

縦走1日目である。携帯のサイトで雨雲の様子を見ると日高地方に向かって雨雲が動いている。午前8時ころには雷を伴った雨雲が通過するとの天気予報なので、天候の回復を待って出発する。直前に山越えルートを取った北海道の人が、GPSを使いながら山越え一歩手前で迷い、結局はペテガリ山荘に行けなかったとホームページに書いている。川幅の広いシュオマナイ川の向こう岸から薄暗い沢に入って行かなければならない。誰もいない日高の山の第一歩は膝まであるシュオマナイ川越えで始まった。

シュオマナイ川を無事に渡ると、廃道と化した林道に沿ったわずかな踏み跡をたどる。踏み跡はいつまでも沢に沿っていて、何度も沢を渡りながら分岐に向かって進む。当初予定のルートは分岐を左に折れるのだが、右手の沢の熊笹に結び付けられた新しいテープが自信にあふれているようだったので、そのルートを取ってみる。急斜面の源頭から熊笹が生い茂る藪の尾根に着き、いったん東に進んでほどなく薄暗い源頭から急に落ち込む沢を下る。ペテガリ沢川とベッピリガイ沢川の出合(北緯42°27′21″東経142°50′37″)に出るとそこは深く、登山靴のままでは渡れないのでいったん上流にさかのぼり、飛べる石を探して川を渡る。
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/y/yamatabi-hanatabi/20010101/20010101000310.jpg
ハクサンイチゲだろうか)

林道に出て出合付近に戻ると対岸に赤いリボンが2本付けられている。しかし、林道が崩壊している以外の再渡渉はありえないことなので林道をそのままぶらぶらと下る。林道には情報どおりクリンソウがあるが、当然のことながら花は終わっている。交通が完全に遮断された大自然の中の林道歩きも、1時間もすると自然との対話も飽きてくる。GPSを見ると、だんだんと懐かしい山荘に近づいている。


山荘が見えてきた。ここまで4時間、無事山を越えることができた。取り敢えずは一安心だ。山荘には北海道が大好きで早期退職し山登り中だという岐阜の元営林署勤務の男性がいる。このほか宮城からの2人が渓流釣りに出かけているという。この元公務員氏は、すでに日本100名山を踏破し、今は200名山に挑戦中だという。ペテガリ岳の印象を聞くと、登り返しが多く、これまでに経験したことのない辛い山で2度と登りたくないという。事実どのルートから登っても困難の伴う一級の山である。


ペテガリ山荘には薪ストーブが備え付けられていて、薪のストックも十分にある。沢を漕いだから登山靴の中は早くも水浸しだし、衣類も濡れているからストーブを燃やして体を温める。日もすっかり落ちてから2人の釣師が大きな虹鱒をぶら下げて帰ってくる。45cmもある大物を2匹持っている。お裾分けと言って刺身にしてくれた。稜線で飲むはずのウイスキーを割愛して、脂の乗った虹鱒をいただく。