ペテガリ岳~コイカクシュサツナイ岳縦走 第1日目(2005・7・30)

挑戦者のみが見ることのできる幻の花 カムイビランジ
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(計画の概要)

神々が棲む日高山脈の深淵、ペテガリ岳からコイカクシュサツナイ岳への単独縦走である。天候等のコンディションにより1839峰を割愛する。出発直前の予報では、ペテガリ岳に登る8月1日に雨の予報があるが、総じて良い天候が期待できる。

1日目、日高の海岸から神威山荘まで車で入る。神威山荘からシュオマナイ川を渡り、沢を詰めた後源頭を越えてペテガリ山荘で泊まる。
2日目、ペテガリ山荘から西尾根コースを取ってペテガリ岳に登り、その後稜線を北上しCカールに下り幕営する。
3日目、Cカールからルベツネ山、1600mを経てヤオロマップ岳に至り幕営する。
4日目、ヤオロマップ岳から1839峰を往復し、ヤオロの窓で幕営する。
5日目、ヤオロの窓からコイカクシュサツナイ岳を越え、夏尾根の頭から尾根をはずれ、コイカクシュサツナイ川を下り札内ヒュッテに至る。

(装備)

(テント)
日高の狭い稜線で幕営するためにはダンロップDL-11のような一人用の小さなテントがいい。逃げ込む場のない日高の非常に狭い稜線で直接強い雨風を受けた場合、防水性能とともに強度が求められるが、このテントは軽量であるとともに信頼性が高い。

(ゴア登山靴)
これまでの裏銀座縦走、ピパイロ幌尻岳縦走など、降雨や朝露がある登山で苦しめられた靴の中への浸水問題について、メーカーのシリオに靴を送って点検を依頼した。結果、靴自体に問題はないがスプレーを塗布することで解決できるとのことであったが、レインウェアーの毛細管現象とともに課題の残るものであった。
レインウェアーについては発汗が大きく関係することは自明の理であるが、登山靴がある一定の時間を経過すると「ドバーァ」と水が浸入することには、大きな原因がなければ説明がつかない。
登山靴やレインウェアーの良し悪しは、今回のような風雨の連続する気象条件に際し、ときには登山事故に直結させるものであることを認識しなければならない。結果として、気温が高かったことからずぶぬれになっただけで済んだ。

GPS)
ペテガリ岳から先ははじめての山で、道標の類は一切期待できず、濃いガスで目前しか見えないような厳しい状況では、GPSが目標地点へのナビゲーション、現在位置の把握など数え切れない役割を果たしてくれる。GARMIN etrex Venture(英語版)のコストパフォーマンスは高い。

(食料・水・ガス)
食料は日程プラス1日分とした。非常用ブドウ糖は、食事を摂れない厳しい状況下での脳への即効性のエネルギーであり、思考能力を保持してくれるのに有用である。
水はルート上のCカール及びヤオロマップ岳の源頭で取れるが、極限で使う予備として1.5リットルの水を別に持った。
ガスカートリッジは飛行機に持ち込めないので、新千歳空港到着ロビーのJAL売店で買うのが一番手っ取り早い。なお、帯広空港から入る場合は、中札内市街に金物屋がありガスカートリッジ(大小)が置いてある。

第1日目 アプローチ・7月30日

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ニシュオマナイ川(神威山荘から少し戻り、ここから山越えする)

ペテガリ岳への道路は、道道静内中札内線の工事中止により閉鎖されている。迂回ルートの林道ゲートの鍵も2005年の夏山シーズンを前に複製しづらいものに取り替えられていて、今は一部の者しか車では入れない。現在の最短ルートは、神威山荘からの山越えコースのみである。
新千歳空港から道南バスの特急浦河号で浦河町荻伏に向かう。荻伏からタクシーで日高の山に向かって神威山荘までの林道に入る。30km走った終点に神威山荘がある。
7月下旬の神威山荘前の広場には登山者の車はなく、宿泊者もいない。山荘手前のシュオマナイ川に下りる分岐には、渓流釣りかペテガリ山荘へ向かった人の車だろうか、3台停められている。


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ニシュオマナイ川から踏み跡の少ない沢に入る

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(キンバイソウ)