日高山脈の稜線が剥ぎ取られ・・・

■ ■ ■ 何のための開削だったのだろうか ■ ■ ■
 
 ○○擁護とか、○○保護だとかというような、あるいは山で○ん○禁止などの運動には生理的に受け付けない体質を持っているようだが、それでも日高の山を必要もなく、こんなに(↓)傷つけるのは止めてよ、と感じた次第!
 
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2010年に開削されたと思われる
 
 エサオマントッタベツ岳は比較的登られることが多い山である。北東カールから札内JPの札内岳寄りの稜線に上がり、節度あるハイマツの枝の整理が行われた稜線を行く。ところが札内JPから南下し、カムイエクウチカウシ山への稜線を歩くととたんに古の踏み跡は消え、ハイマツの藪を漕いだり笹藪斜面を足を滑らせながら歩くの。これも、日高の山歩きの野趣の一つではある。。

 日高の稜線でハイマツを踏み付けるのはどうの、踏み跡のない斜面で高山植物を蹂躙するのはどうの、ハイマツの枝の整理はどうの、器物損壊だとか国立公園法違反だとか夜郎自大なことを言いながら、沢登りと称して歩き、その結果源頭の高山植物のお花畑を縦横無尽に蹂躙していることに良心の呵責を感じないどころか、沢で流木を盛大に燃やし「木竹を損傷」している者が見受けられる・・・というのは日高の山の愛好者の中にも少なからずいるところである。
 
 
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これまでのテント場
 
 とは言ってもそれそれ、最後に残されたあるがままの日高の山を好む者として、ものは程度問題だろうということなのだが・・・。ところがこの1760mのピークにおけるテント場の開削はいかがなものだろうか。一つにここに開削する合理的理由があるかということと、次に岩稜の上に乗っかった薄い土壌に長大な年月をかけて根を張ったハイマツやミヤマハンノキその他高山の植物を根こそぎ剥ぎ取ってしまったことに対しては、まことに痛々しくて残念至極である。

 この開削は、打ち捨てられたハイマツの枝の様子を見ると、2010年の今年に行われたものと見られる。土壌が剥き出しの地面は昨晩の雨でぬかるんでいて、早晩、開削が原因で大量の土壌の流失が懸念される。このピークにあるテン場は、札内JPからの距離からしても、また風通しのいいピークにあることからも、平常時も悪天候時も使用される頻度は高くない。そもそもこの場所の開削にはシャベルなどの準備があってのことだろうから、思い及ばぬ意図があってのことだろう。従来のテント場に人がいて後から来た者がここにテントを張ることができなければ1760mを下ったところにある快適なテン場を利用すれば済むだけのことである。
 
(注)ザックは古の踏み跡に置いてある。これまでのテント場と開削された場所の位置、距離を明瞭にするために置いたものである。
 
このピークを含めた2010年の縦走の記録は
で詳しくご覧になれます。