-20℃のテント泊~南御室小屋から鳳凰三山・薬師岳(2012)

2012年の初登りは、夜叉神峠登山口(1380m)からの南アルプス鳳凰三山の一つ薬師岳(2780m)、
1日目は夜叉神峠登山口から南御室小屋(2430m)までとしテント泊、
2日目は南御室小屋から薬師岳を往復し、テント撤収後夜叉神峠へ下山することとしました。
 
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夜叉神峠登山口(2日目は山口・京都・滋賀・名古屋ナンバーなどの車でいっぱい)
 
天気予報(tenki.jpの登山天気)では、南御室小屋付近での気温は午前9時ごろで-10度程度ですが、
未明や稜線に出た時のことを考えて、万全の寒さ対策で臨みます。
そんなことからザックは久々の90リットルとなってしまいました。
ただ、この老体に無茶とも思える荷物が、厳寒の南アではどうしても必要なものだったことは、
テント場に着いてよく分かります。
 
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 ガマノ岩からの北岳
 
昨年来、自宅のパソコンで見る夜叉神峠のライブカメラには雪は写っていません。
実際歩いて見ると苺平から先にほんの少し、南御室小屋のテント場で約15cmほどの積雪があるだけでした。
当初、シャベルは持っていかなくてもいいかなと思っていたのですが、万一のことを考え持参しました。
テント場は、1月3日以来使われておらず、テント場を均すのに持って行ってよかった。
(シャベルを持って行かないとこんな場面に遭遇したときに危険です。)
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 南御室小屋(2日目に登ってきた人の多くがテント泊)
 
この日、幕営する酔狂な人は他におらず、3連休の営業のために準備をしている小屋の人に聞くと、
今夜、冬季小屋に4人が宿泊するだけとのことです。
 
予定では、2日目は午前4時に起きて薬師岳に向かい北岳が朝陽に染まるところを見るつもりが、
起きてみると気温はマイナス20度に下がっており、極寒の暗闇の中を歩くのは危険と判断し、
結局午前7時の出発となってしまいました。
(ちなみに、前日夕方、トイレで手袋をはずし用事を済ませると手は厳しくかじかんで、
すっかり感覚がなくなるほどの寒さでした。)
 
小屋の水場は順調に流れ出ていましたが、例年は間もなく凍結し使えなくなる(小屋の人談)とのことです。
 
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 肩ノ小屋からの稜線で10m飛ばされたと70歳の人が40年前を邂逅していた
 
さて、太陽が顔を見せてから南薬師小屋からすぐ始まる急登です。
我慢して黙々と歩き樹林帯を抜けると、そこは烈風吹き荒ぶ稜線、
薬師岳からは厳しい北岳の冬の姿が・・・・・・・・・・。
本邦第二の高峰は屹然とそびえ立っているのでした。
薬師岳で先行していた人に写真を撮ってもらいますが、標識に抱き着くほどの風です。 
 
最低温度はマイナス20℃でしたが、
アライのエアライズ(3シーズン用)は何の支障もありません。
朝、テントを撤収するとき、エアーマット(夏用)の下が相当濡れていましたた。
エアーマットから熱が逃げ出し水蒸気が冷えた床で水溜りとなったものと思われます。
この気温下でテント泊する場合は、冬用のエアーマットにするか、
断熱効果のあるものをプラスする必要があるものと感じたのでした。