神田の山道具屋の帰りはとんかつ駿河

一時(と言ってもここ10数年以上)タイラーメンのスープ(トムヤム)の味が恋しくて、西早稲田の店に通っていた。
当初は日本人とタイ人が店を切り盛りしていた。最近、それ以外の国籍の人も店に入って働いている。
愛想はいい。風邪をひいていると見えてティッシュで鼻をかんでゴミ箱に捨てる。
次に、2つのグラスに水を注ぎ片手でグラスを挟んで持って私たちのテーブルに置く。
無論、手は洗っていない。
 
山の道具の街に行ったときに、何度か黄色い暖簾の路地裏のとんかつ屋に行った。
それなりにおいしかった。
ランチタイムが終わるころの時間で、客は私一人。
経営者と思しき人が入ってきて、厨房に手を伸ばしティシュを取り、グシュっと鼻をかむ。
そのティッシュを(見ているのに)洗い場のシンクに投げ入れる。
 
山の帰りに地元で採れたお茶と干しシイタケなどを少し多めに買った。
では、とこれをお袋に宅急便で送ろうと近所のヤマト運輸の営業所に行った。
「袋ではせっかくの国産のシイタケが崩れるかもしれませんよ。貴重な国産のシイタケだから、壊れないように箱にして送ったら。」と受付の女性は言う。
箱にしてもらうと女性は、クッション材でシイタケを丁寧に包んで箱詰めにしてくれた。
お茶を見て「井川のお茶ですね。井川のお茶はいいお茶なんですよ。シイタケだって中国産がほとんどで、
国産のものは少なく高いですからね。でもうちでも食材は国産しか使わないようにしているんですよ。」という。
 
人から代金を取って食べ物を供しながら衛生観念もデリカシーもない業者
(国産の)食べ物に愛情を持って、箱代と送料しか取らないのに丁寧に対応してくれたヤマト運輸の受付の女性
 
私にはタイラーメン屋にもとんかつ屋にも2度と行かないだけのことだ。