南アルプス・仙丈ヶ岳/地蔵尾根での拾い物 (2014)

2014/ 6/13~14
南アルプス仙丈ヶ岳(地蔵尾根~仙丈ヶ岳~北沢峠・長衛小屋)
 
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 仙丈ヶ岳を地蔵尾根から登り、状況を見て丹渓新道を下る計画で戸台に向かった。地蔵尾根~仙丈ヶ岳のコースタイムは9時間であり、仙丈小屋冬季小屋泊もありとしつつテント泊装備を担いで長大な尾根を歩く。仙丈ヶ岳までのコースタイム9時間のところを、7時間30分で到達。その後、濃霧で視界が利かず登山道は雪渓に埋もれていたため小仙丈岳方向に回ったりして時間を要した。結局は、登り始めて12時間、北沢峠に下りて長衛小屋でテント泊することとなった。
 
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 地蔵尾根では、苔蒸した森林帯でイチヨウランなどのラン科の植物を見たが、本命の花を見付けることはできなかった。そんな森林帯を歩いているとカメラの一脚が落ちていた。「KAZUYA」と名前のテープが貼られており、すぐさま、山の花の写真家・山岳カメラマンでジャーナリストの新井和也さんの物に違いないと思った。新井さんは2013年7月22日、剱岳において事故によりお亡くなりになっている。
 
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新井和也さんを特に意識したのは、某地の山のホテイアツモリソウの写真と、北海道日高の通常は考えられないところで咲くカムイビランジの写真であり、カムイビランジの植生の場所については、通常では分からないように画像を掲載されていた。(しかし、その画像の岩場の特徴から「あの稜線の、あの場所にあったのか。これまでカムイコザクラの咲く場所としか認識していなかったのに・・・」と判別させていただいた。)
 
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 この一脚を見付けてからの尾根歩きは、新井さんはどのような季節に、この尾根のどこで、どのような花を求めて歩いたのだろうかとの思いを持ちながらのものになったのだった。かく言う私も、今回、この尾根を登ることになって、30数年前の花の本に載っていた「黄色い花」を咲かせる希少な植物との出逢うを期待していたのだった。そのような思いを持っていたから、「KAZUYA」さんの一脚を見たときは、これが新井和也さんの落し物なら、故人となられている方なので大変複雑な気持ちを持ったのだった。
 (著書等の発行元に然るべき連絡を取っているところです。)
 
この登山記録は、近日中にホームページ「やま旅・はな旅 北海道」に掲載予定です。