仙丈小屋の個人的な評判 (2014)

2014/6/13~14の日程で、仙丈ヶ岳を伊那側の地蔵尾根から目指した。当初、1日目に松峰避難小屋泊、2日目に仙丈ヶ岳を登り丹渓新道を下りる計画であった。しかし、それでは間延びするとの思いから、仙丈小屋(冬季小屋)を使わせてもらうことにした。なお、残雪の状況や丹渓新道の様子が分からないので、念のためテント泊装備を用意した。
 
2014年の仙丈小屋の営業開始は6月14日(金)からなので、仙丈小屋を管理運営する伊那観光株式会社にあらかじめ電話を入れ、冬季小屋としての使用が可能か問い合わせたところ、小屋開けの者が入っているが使用が可能だということを確認して出発した。なお、伊那市観光株式会社は長野県伊那市が出資するいわゆる第3セクターである。
 
地蔵尾根は長大であるが歩きやすく特に問題なく仙丈ヶ岳へ向かったが、途中の長い雪渓あたりからガスがかかって視界を失い、頂上から仙丈小屋での物音はすれど小屋は見えず、小屋への斜面が急な上に雪渓なので安全を期して小仙丈ヶ岳方向から回り込んで小屋に着いた。
 
小屋に着いたのはお昼過ぎで、戸を開けると2人がビールで乾杯中であった。状況からして小屋の関係者と思われたので、来意を告げると「だめだめ、小屋の者がいるのだから冬季小屋は使わせない。料金を払えば泊まっていい。」と強い剣幕で一方的に感情に走っている。
 
「会社の人にあらかじめ確認し、使用することは構わないということだったのですよ。」と言っても聞く耳を持たない。このような状況を想定していたわけではないが、仙丈小屋ではなにかすっきりしないことが起こりそうな雰囲気を予感していたので、さっさと北沢峠に下りることにした。
 
北沢峠の長衛小屋でテント泊の申し込みをすると、正式な営業開始は明日からだから今日のテント場代はいただきませんとのことだった。仙丈小屋の対応と長衛小屋(昨年の茶臼小屋もしかり)の対応(応接の雰囲気)を見ると、文明の違いを見るようだった。
 
そんなことを考えているとヤマレコに2014年の小屋明け前に光小屋に泊まった際の光小屋の冬季小屋への対応の記録があった。仙丈小屋の対応と比較する必要はない。
ただ、小屋番が山では何があっても絶対的権限を有しているような独善と、仙丈小屋番さんの野趣に満ち溢れた姿と口吻が今の世の中に相応しくないなあと思っただけである。