ニペソツ山 (2014)

2014/8/1 東大雪/ニペソツ山
 
エサオマントッタベツ岳からコイカクシュサツナイ岳を4泊5日の日程(2014/7/25~29)で目指した。しかし、台風崩れの低気圧の通過を待つこと43時間、カムイエクウチカウシ山から下山せざるを得ない結果となった。
 
 登山前日泊まった「帯広八千代ユースホステル」に投宿し、ビール&ワイン三昧の一夜を過ごした。翌日も某所でたらふく飲み食べたので、体調管理?のためニペソツ山に行くことにした。
 
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 ニペソツ山
 
 ニペソツ山は、2013mの標高ながらなかなか手強い山である。午前3時30分に起床したが、林道を走り登山口に着いてようやく出発したのは午前6時30分にもなっていた。金曜日だからなのか登ったのはわずか数名であった。こんなに天気のいい日の奥多摩なら、いやになるほど人でごった返しているというのに、ここは本当に人が少なくて好ましい。
 
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 前天狗のウメバチソウ
 
 実際のニペソツ山は非常に厳しかった。それは5日間の縦走を終え、中2日おいての、山地図では11時間コースの山だからであった。辛すぎて前天狗でやめようかと思ったが、途中2か所のお花畑に慰めらる。今日登った数人の登山者は澄ました顔で下りて行く。しかし、喘ぎながら頑張ってニペソツ山の頂上に立った。
 
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 ニペソツ山の頂上から 奥の尖ったところまで戻ってさらに尾根を下って戻る
 
 ニペソツ山は花の山とのことだが、花は少なかった。長い登山道を登り返し前天狗に向かうと鞍部で重たそうなカメラを持った女性が前天狗から下りてきた。一応、社会常識として「こんにちは!」とあいさつをすると、この人は右90度に顔を向けて「こんにちは」と言う。こんなあいさつの返し方もあるんだと勉強した。
 
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 今回の北海道遠征でつくづく思った。せせこましい本州の山を離れ、もはや歩く者も稀な日高の山を歩き、頑固な藪を避けるため密生した高山植物を踏み付けながら歩かなければならないとき、テントを張ったら高山植物が犠牲とならざるを得ないとき、ではどうするのかと何度も問うた。というのも、過去この山域のコースを歩いた時にも、北海道に住むという観念的な自然保護絶対主義者と思しき人たちから抗議めいた言質を頂戴したからであった。今回もそんな者たちの言葉を思い浮かべながら、曽野綾子先生の著書の一部を思い出し歩いた。「あなたは、コイカク~カムエクを歩くときはハイマツの上しか歩いてはならない。否、ハイマツの上も歩いてはいけない。否、山に登ってはいけない。」(以上、意訳)曽野さんの言葉はいつも小気味いい!