ハルラ山/漢拏山 (2014)

漢拏山は済州島にある標高1,950mの山で韓国の最高峰である。
この山には、いつか登ってみたいというより、この山のある済州島にはいつか行ってみたいと長年(この40年ほど)思っていた。(が、行かなかった。)
 
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昭和50年12月25日発行 
 
 この本を発行の翌年、薄給の身の財布から2,800円を捻出して買った。もう40年も前のことだ。済州島の風土歴史をよく知ることができたと著者に読後感をしたためて送ったところ「韓国の冠婚葬祭」という高価な著書を送っていただいた。
 
 なぜ、薄給の身でこの本を買ったか。それは、済州島という地域の人口動態(人口の推移)を知る必要があったからだ。著者は「厳しい自然に封鎖された島に外部勢力が闖入した前世から始まって千数百年の長い間、島民には人間らしい生存権を保障された時は一刻もなかった。よくもよくも蹂躙、抑圧、そして搾取されて来たものである。その哀れと悲しい無残さを思うと島の歴史は、まさに気息奄奄「アイゴー、アイゴー」と呼ばざるを得ない慟哭の連続であったといって過言ではない。」と述べ、その歴史を綴っているが、大東亜戦争中に、日本軍の命令によって、済州島朝鮮人若い女性を木刀で脅し、無理やり二百人以上も従軍慰安婦にした。」吉田清治が述べたような凄惨な歴史事実は、済州島翰林邑出身のこの著者はまったく一語も触れていない。
 
 朝日新聞がねつ造だったと詫びて取り消した「従軍慰安婦」の記事について、吉田清治の弁の「大東亜戦争中に、日本軍の命令によって」を取り去り「済州島朝鮮人若い女性を木刀で脅し、無理やり二百人以上もの婦女子を売春婦にした。」と読めば何のこともない。売春防止法がある今では単なる法で裁かれる犯罪者であり、管理売春という今も綿々と続く売春婦の元締め的存在であった、あるいは人身売買の実行犯であると自ら吐露したと同様なことでななかっただけのことではないのか。
 
 ただ、吉田が軍の(誰からどのような内容の)命令に基づき、誰とともに済州島朝鮮人婦女子を従軍慰安婦として拉致したかというようなことの事実の存否を済州島で検証した学者もそのような事実があったことの証言を現地の人からは一切得られていないようだし、まして済州島出身の著者の「慟哭」は、その中身において済州島の婦女子が慰安婦として人さらいに遭ったことなど一切言及していない。著者が4・11事件に触れていないことは韓国の政治情勢から理解できるが、日帝36年の拭い去ることのできない烈しい恨みがあるのに自国民が暴力をもって連れ去られたことを書かない合理的な理由は、著者には微塵も存在しないはずだ。このぐらいのことは当然に知っていながらそれを秘匿し朝鮮人慰安婦を巡る捏造記事を長年にわたり垂れ流し続けた朝日という新聞は報道機関と呼ぶには憚れる。
 
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 門田隆将著「死の淵を見た男 吉田昌郎福島第一原発の500日」は、平成24年12月4日に第一刷が発行された。吉田は、暴れる原発を鎮めるために死を前提にその任に当たる年齢の高い職員を中心に人選した。そして、それ以外の職員を退避させることとしたが、それを朝日新聞平成26年5月20日付け朝刊で「命令違反で撤退」と東電社員が逃げ出したと吉田調書を捻じ曲げてスクープに仕立てて報じた。逃げたというのだから原発の敷地から逸脱していわき市郡山市や東京に逃げたのだと思ったらそうではなかった。かえって、門田が描く福島第二に退避した東電社員の佐藤眞理の行動が代表するそれぞれの社員及び協力企業の必死の闘い、免震重要棟に残ったフクシマ・フィフティと(朝日新聞が貶めるまでそう)呼ばれた69人の死を覚悟しての対応が更なる惨禍を防いだことなどには触れず、慌てふためいて危機管理能力をこれぽっちも発揮できなかった当時の首相や官邸の無能さを隠すために、東電社員をスクープとして辱めたと解すれば、情報操作役としての朝日新聞の記事はよく理解できるものである。まさか門田氏の著書も読んだとはよもや言えまい。

 Will11月特別号は、小野田寛郎さんの正論での発言を転載している。小野田さんは冒頭「ツンコ・ピー」「チョウセン・ピー」という言葉を紹介している。
「ツンコ」はzhongguo(ジョングォ)が訛ったものだろう。
「ピー」はbi(ビー)で、biは日本語のビーという発音と微妙に違うが、感じに当てはめると
と表記するらしいが辞書は未確認につき留保。小野田さんは「淫らな言葉だが」と断ってこの話をしている。
 
 共産主義の中国は、経済大国にもなったが依然として売春大国でもある。北京の
 王府井は、さしずめ銀座であろう。ここにも売春婦は多数屯していて通行人に声をかけてくる。中国語で。ただ、直裁に売春を持ちかけると売春の最高刑は死刑という極刑が待っているからそうたやすく正体は現さない。売春婦は中国人同胞を相手にものなので、日本人には声は掛けてこないだろう。小野田さんではないが、現代中国にも普通に「Bi」はいるものだ。
 

 
 いずれにしても、ためにするのでなければこのような記事は書けまいし、まして「戦時の女性の尊厳と人権・・・」を「直視する」「この立場はいささかも揺らぎません。」と朝日新聞社長は述べている。ならば朝鮮人慰安婦ばかりではなく、日本人慰安婦のことも、占領下のレクリエーション アンド アミューズメント協会という意味不明な仕組みで売春を強いられた婦女子のことも同列に取り上げなければ片手落ちである。
 
前置きが長くなった。済州島には知った顔の人もいた。が、ハルラ山に登らない理由は、この地を踏むということでこのようなこととの関わりを云々されることを防ぐ意味合いもあった。