酉谷山避難小屋から東京トレッキングクラブの皆さまへ (2015)

2015/ 7/ 4~5
タワ尾根~酉谷山避難小屋(往復)

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雨に煙る酉谷山避難小屋

東京トレッキングクラブが、板の間宿泊許容人数5~6人の酉谷山避難小屋に7人ものパーティを組んで泊まったことは、その記録をもとに以前このブログで書いた。

今回、飯豊山を中止したので雨マークのタワ尾根を往復することとし、酉谷山避難小屋に向かった。小屋の戸を開ける。(いつものことながら)驚くほどきれいで、なんとトイレには5箱ものトイレバイオ消臭剤が置かれている。次に小屋ノートを見る。小屋の入口から水場の間で、大切な指輪を落とし2時間探したが見つからなかったという人の記述があった。

さらに読み進めていると、
「そんな団体でくるな!金払って営業小屋に泊まれ」
という殴り書きがあった。2015/ 4/26~27の東京トレッキングクラブに対するものであった。このクラブはその日の酉谷山避難小屋ノートに次のように書いている。

「16:00着、女4男3(で来た)」
「先着男性1名」
「18:00ごろ、26歳男性、30代男性到着。合計10名」
「若い男性はテント泊」
「消臭剤を置いておく。」

次ページにも批難の書き込みがある。
「団体での(酉谷山避難小屋の)使用はマナーとしてどうなのか。」
「山岳会はマナーを守れ。」

翌日に泊まったヤマレコ氏は
「定員は5人くらい。前日は9人くらいいて入りきらなかったそうで
 す…(; ̄ェ ̄)」  
と書いている。

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 修復なった水場にヤマオダマキの花が戻って来た

団体での使用を目論んだ最高峰は、やはり岩崎元朗さんが企画した無名山塾の酉谷山避難小屋宿泊体験登山ツアーであろう。募集人員20人、料金は20,500円という超弩級、破天荒、非常識な金銭至上主義のものだった。ネット検索していると、ときおり酉谷山避難小屋を宿泊先にしたツアー登山(ガイド登山)が未だ見受けられる。

ところで今回の東京トレッキングクラブの多人数による酉谷山避難小屋宿泊を伴う登山については、この人たちの集団としての無邪気さを感じる。しかし、その無邪気さはものごとを表層的に、情緒的にしかとらえられない・考えられないことによるものとしか言いようがない。

たぶんこの山岳会のメンバーは「私たちのどこがいけないの?」としか思わないだろう。新幹線で女性を巻き添えにして焼身自殺した男は、「自分の年金が少ないのは自分のどこがいけなかったのか」と考え至らないところに問題がある。山も然り、年金も然り。リタイアして暇な者が大挙して押し寄せて小屋を占拠すれば働き盛りでたまの山登りしかできない現役世代にしわ寄せがくる。そんな世代が週末にこの小屋にやってくる。そうか私たちは少しそんな世代の人に譲ってやろう。次に酉谷山避難小屋に行くときは員数を分けて行こうか。そういう気配りができるのなら、この後の2015/5/12~13の酉谷山避難小屋宿泊計画は立てなかっただろう。

なぜこの山岳会に無邪気さを感じるのか。小屋ノートに、会のブログに7人で宿泊したということを何の躊躇、臆面もなく書いていることである。しかし、5/12~13のことについては小屋ノートにもブログにも、何も書かれていない。