ペテガリ岳東尾根コース~ポンヤオロマップ岳考 (2015)

 ポンヤオロマップ岳へ登った人のヤマレコの最近の記録を見た。ペテガリ岳東尾根コースの核心はその先に待ち受けている数多の困難であるが、そもそもこれまで崩壊で通行できなかった登山口までの林道の通行止が解除されていることに新鮮味を感じた。

イメージ 1
早大尾根

 グレートトラバースの2015年6月の田中陽希氏のペテガリ岳東尾根コースの走破記録を見るとかなりの緊張感に包まれた記述となっている。ペテガリ岳山頂までの分の水3リットルが足りなかったという。「ヘロヘロになりながら最後の藪を掻き分けて、ペテガリ岳山頂に立った!難関の日高2座をやっとのことで登頂した。」と書いているが、その苦しさは実際に東尾根コースに立たないと分かりようもない。

 実は自分自身、2003年に1泊でペテガリ岳東尾根コースを往復した際、復路に水をほとんど摂取できず、20時間かかって下山し、うち16時間は飲む水がなくなってしまったという壮絶な得難い体験をしたのだった。帯広労山のパーティが張ったテントに、水気のある物が残置されているのではないかと夢想した。このような極限の状態なら情状酌量の余地もあるのではないだろうかと思わないでもなかったが、すれ違った彼ら彼女らの傷だらけになりながら進む姿を見ていて、いくら困窮した身とは言え、そのようなことができようはずもない。


イメージ 3
ポンヤオロマップ岳

 最近(2015)ポンヤオロマップ岳を経て早大尾根をエバさんが登っている。非常に興味深い。

 北海道の山人のHPを見ると狭い範囲内での登山を強いられている感じを受ける。それは致し方ない。津軽海峡を越えることなく北海道内だけで登山を実践しようとすると自ずと行く先は限られている。

イメージ 2
今はこのような登山はできっこない

 しかし、その一方で非常に興味深く、ある程度の困難は織り込みずの縦走路は登られることなく放置されている。なんんことはない、ただ歩く人がいなくなって登山道が藪で覆われているだけのことなのに、それにあれこれ理由を付けて恐れ登ることをしない。隘路の所在がどこにあってその隘路をどのように克服するかの工夫もなければペテガリ岳東尾根コースはは困難だと合唱するただけのただの烏合の衆となりかねない。ポンヤオロマップ岳の頂上に立つということは東尾根コースを辿ってペテガリ岳に達するのだとの強い意志がなければ、それはただの「ハイキングコース」であろう。
 
 それにしてもペテガリ岳東尾根コースの記録が少なすぎる。万人受けする山ばかりではなく、このような挑戦的な山を登る気概は・・・、自分自身にももうなく、ましてや若くても、地の利がよくても登る気概を持つものが極めて少ないというのはどういうことなんだろうか。