アメリカファーストのどこが問題なのか (2017)

トランプ・アメリカ合衆国大統領は、アメリカ第一主義を唱え急進的に政策を推進しようとしています。産業の国内回帰を強く求め国内労働者への分配を約しています。今さらの感を否めないですが、2008年に読んだサラ・ボンジョルニ著「チャイナフリー・中国製なしの1年間」程度の問題意識があればもっと早くトランプ級の指導者が現れたはずです。それを「yes we can」などと耳障りのいい話をする人を選んでしまったものだから・・・。

私が使っている登山用品の多くが、この数年来ファイントラックになってきています。総じて価格の高い新興の日本のメーカーの製品を、悋気な私がなぜ使うようになったのか?それは、ファイントラックの創業の理念にあります。

【以下同社HPから引用】~~~~~
コストを抑えるために海外で行う大量生産、流行を追ったもの作り、そしてシーズン途中から急速に下落する価格、たった1年で古くなってしまう製品。そうした大量生産&消費のトレンドに対し、finetrackは逆行しているかもしれません。しかし、国内でのこだわった、年式にとらわれない定番商品のみに絞ったモノ創りは、私たちの曲げられない理念です。
もう一つ大切にしているのは、長く使い続けられる製品を作ること。それは「値札」以上の優れたコストバリューを持たせる取り組みの一環であり、ひいてはささやかながら、エコロジーにも貢献できるものだと考えています。
finetrack商品をボロボロになるまで使い続けていただく、それは私たちにとって何にも代え難い喜びです。
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たとえば、素材だけを日本で調達し、海外で縫製をすることも可能です。
しかし私たちは、糸作り、生地への織り(編み)上げ、仕上げ、そして裁断、縫製に至る全てを、日本国内で行うことを主としました。なぜなら、いま日本の繊維技術が世界No.1であるのは、素材を作りそれを製品に仕上げるまでの全ての業者が「繊維産業」として一体となって成長した結果であり、そのことを大事にしたいと考えているからです。
【引用終わり】~~~~~

ハイキング・登山を始めた約20年前に買ったザックはアメリカ製のospreyのザックです。以後あれこれ買った、そして今も保有しているザックの10個はospreyだけでですが、時代とともにmade in USAからベトナム産になってしまい、それに伴って背負い心地も(よくないほうに)違ってきています。

国際分業化が進んだ現在、すべての製品を自国産でまかなうというのは資源の輸入国家であり、国際的な分業化のもとでは不可能なことですが、できる限りいいものを、国産品を使うということはあるべき姿だと思います。

国際社会からの援助・協力、技術支援、自由貿易の恩恵の享受などにより貧困から立ち上がった中国が貿易黒字のうちの半分を軍事予算に使っているなどの今の中国の振る舞いを見て中国の物は買わない、中国旅行などをしてお金を落とさないというようなささやかな抵抗を続けていますが、そんな意味でもファイントラックの取り組みは称賛に価するものと言えます。(一部、made in Chainaが残っているかもしれません。)