Sarah Chang サラ・チャンの凋落?(2017)

2017/10/13

Sarah Chan サラ・チャンは韓国人の両親を持つアメリカ人のバイオリニストである。マリス・ヤンソンスを指揮者にバイエルン放送交響楽団を引き連れた2007年11月23日のサントリーホールでのブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番は圧巻で鳥肌がた立ちっぱなしであった。

それから10年、途中、東日本大震災を挟みサラ・チャンは久しく来日しなかった。そして2017年、アジアユース・オーケストラ日本公演に次いでこのたびバイオリンリサイタルのため来日することとなったが、講演の場所は川口・釧路と売れなくなった○×歌手のような趣で、紀尾井町ホールを入れて3か所での公演があるが、どのホールでもチケットはまだ相当の余裕がある。

東日本大震災を理由に日本公演をキャンセルしたムターのようなわけではないだろうが、人々が災難に遭っているときに、被災国を忌避したかのようにとらえられて人々がこれほどのバイオリニストに見向きもしなくなったのかと思うのである。
 
ちなみに、サラ・チャンの川口公演のチケットは10月14日現在、やっと座席の半分が埋まった程度であり、寂しいリサイタルとなるのは決定のようだ。公演まであと6日間あるが、ガラガラのホールでサラ・チャンがどのような演奏をするのか、心配である。