タワ尾根~酉谷山避難小屋往復 (2013)

1月に続いて、ふたたび酉谷山へ向かった。
前回も踏み跡のないタワ尾根~長沢背稜だったが、今回も前回同様、通常より2時間も多くかかったので、
小屋が見えた時にはホッとしたのだった。
 
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山と山の間に酉谷山避難小屋が点となって見える
 
タワ尾根は自然林が美しく、大樹、巨樹も多い。豊かな自然が残っていると言われている北海道などよりよほど巨樹が多い、というより巨樹のオンパレードと言っていいだろう。そんな自然林の中を歩くことができることがうれしい。
 
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夕日に染まる酉谷山避難小屋
 
酉谷山避難小屋の左前方にある尾根は、3.11の大地震による東京電力福島第一発電所からの放射能で汚染されたところで、この場所は関東でも線量が高かったところである。そんなところに位置する酉谷山避難小屋ではあるが、原発の事故から2年近くも経つとそのときの恐れの気持ちが薄れて利用する人も多くなり、週末は満員御礼の状態となっている。
 
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真冬でもこんなに水が採れる時もあったが・・・
 
そんな小屋の命の水が危機に瀕している。
それはこの水場を損壊する輩による行為に遭っているからである。
2012年11月の工事によって、確かにこの水場の流れは悪くなったから、
水を採るのにフラストレーションはあるだろう。
 
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2013/2/8の哀れな水場の様子
 
だからと言ってなんら「罪」のない水場を弄ばれては困ったものだ。
例年、この水場の真冬の水量は、ポタポタとしか流れていなかったのである。
体力があるなら自分で水を担いできなさい、
担いで上がるのことができないならポタリポタリの流れでも感謝して待ちなさい。
そのような当たり前の考えができない人たちが増えてしまっている。
 
日高の稜線を歩くことで植生を痛めていないかと苦情があった。
確かに高山植物を踏みながら歩いているのは間違いない。
しかしそれは、過去に登山道だったところが歩く人もいなくなってしまって、
植生が回復したからであって、恣意的に、故意に踏み荒らしているのではない。
 
それでもそんな批判がくるほど北海道の山はまだ牧歌的と言うことだ。
なぜなら、奥多摩は、秩父は、人が歩くことによる植生の影響以前に鹿が山の植生をことごとく食い尽くしている。