北戸蔦別岳(ヌカビラ岳)登山情報 (2013)

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6/17~18の日程で、北戸蔦別岳にテント泊の予定で出かけた。
天気は17日の夜半、北海道を気圧の谷が通過し雨になるとの予報であった。
朝、道の駅「樹海ロード日高」の駐車場で目覚めると、山に重くのしかかった雲が徐々に取れていくので、
予定の時間を後れて出発する。
 
千露呂川林道ゲートは開放され、自由に通行できる。
入山届(台帳)にはこれまで4人の記載があった。
林道の路盤はいつものように問題なく、北電ゲートに車を停めた。
 
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取水口から先に2人分の足跡があったが、一人の足跡はすぐ踵を返しており、
もう一人のものも最初の徒渉点でギブアップしたようだった。
それが正解だったかもしれない。
特に地元北海道の人にとっては。(いつでも来れるから)
 
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先に進むことにした。
その先は誰の痕跡もない、花々に見送られながらの北海道らしい山道歩きとなった。
そう高を括るのものの、割りと水量の多い苔の着いた滑りやすい石を渡り歩くのは難渋する。
そしてトッタの泉からの延々と続く残雪、雪渓はヌカビラ岳直下まで続く。
 
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ヌカビラ岳では、今咲いたばかりのカムイコザクラが
「今年は誰も来てくれないのです。」
「あなたが初めてなんですよ。」
と迎えてくれる。
 
カムイコザクラとの逢瀬も長く続かない。
幌尻岳がすっぽり厚い雲に覆われれている。
黒い雲がヌカビラ岳にも押し寄せている。
北戸蔦別岳の頂上でのテント泊の夢はあっさり諦める。
午後2時に引き返さないと林道歩きがきつい。
 
長く傾斜の急な雪渓を安全に、かつ、早く下るにはアイゼンの装着が必須だ。
ブラックダイヤモンドの10本歯を取り出す。
雨の降りだす時間との戦いだ。
 
まったくのノンストップ。
午後4時36分取水口に到着する。
尊敬するSakagさんが3時間10分で下りたところを、2時間36分で下りてしまった。
 
でも気を付けよう!
トッタの泉への取り付き口、滝の下部の雪渓は口をすぐ開けて待っている。
午後の二岐沢は午前中より増水している(気温が上がるから当たり前)。
 
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以上が、最近の北戸蔦別岳への登山ルート状況でした。
 
過去にこのルートで遭難事故があり、
「きのう、山を降りる途中の沢が濁流になっていた。渡れないほどではなかったが、疲れていて渡れない人もいた。最近、山の事故が増えていることもあって、みんなで話し合って、無理をせず、昨夜はテントを張ってビバークした。カイロはいらないかと思っていたが、寒さが厳しく、持っていてよかった」
と述べた人がいたようですが、「渡れないほどではなかった」というなら、当時の水量はこの程度ではなかったのではないでしょうか。
 
ならば2013年のこのルートは、もうちょっと雪渓の融け具合の按配を考慮してからお出かけになるのがお薦めであり、そのほうが賢明かとの印象です。(沢屋さんを除く。)