トレイルランニング指針

 2014年2月7日の新聞は、トレイルランニング大会の規制について述べている。
 1,000人規模の大会もあるということで、一般登山者・ハイカーとの軋轢、登山道の踏み外しやショートカットなどが問題となって、中止に追い込まれている大会もあるという。
 さもありなんである。わざわざ山岳を集団で走る必要性はどこにもない。参加人数の規模を誇るようなことは、トレランもしかり一般の山岳会等にあっても邪道だといわざるを得ない。
 トレランの指針を策定する必要性は、環境への負担・道の踏み荒し防止、安全の確保にあるようだが、それ以上に大会主催者の営利主義・山域の景観への無配慮、大会参加者や個人的なトレランを行う者の他者への無配慮・無遠慮も大きな問題点として取り上げられる必要がある。
 静かな尾根道を歩いているときに、あるいは夏山で高所を歩いているときにガシャガシャ鈴を鳴らし、無言で走って追い抜いて行く者・すれ違う者が多い。
 
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タワ尾根 トレラン用のビニール紐が数メートルおきに付けれれるところでもある
 
 NPO野外活動(自然体験)推進事業団が、2014年5月10日 (土)、青梅~一杯水~タワ尾根~東日原で4回目のトレラン大会をやるという。2013年5月、この3回目の大会の当日、一杯水避難小屋でボランティアだという高齢者数人がベンチでスタンバイしていた。ここは(大会側が用意した飲料水の)給水の場所でもあったようだ。
 
 
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鉈を入れられた馬酔木
 
 その日の様子について、大会参加者がブログで次のように述べている。
「このレースは給水ポイントが少ない。一杯水で給水できると安心していたところ、ボランティアの方いわく、水場の管にゴミが入れられており、少しの水しか提供できないとのこと。200mlほど給水してもらう予定だったが、もらえたのは20mlほどのほんの一口の水。一杯水ではなく、一口水。トレイルのレースだし、ボランティアを責めても仕方ないと思い気持ちをすぐに切り替えた。」

 
 水場は健在だろうか、ルートはどうかとかなどの下調べや下準備がなければ、山をトレランのためにただ使うだけいうことだ。そこにある山はただの起伏を得るためのものだけになる。高額なエントリーフィーを徴収し、ボランティアを使い、水場も確認せず給水の期待を持たせ、ルート表示のマーカーが「荷造り用のピンクの紐」も多用され、如何にも大会そのものがチープに見える。
 
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馬酔木はことごとく枝を切り落とされている
 
(一杯水の水場のホースは、篤志家が上部の湧出場所から水を引導したものである。木の葉や枝が管の中に入り込んで詰まらないように網も付けてあるが、それでも詰まることがある。)