「なぜ、御嶽山に自衛隊派遣なんだろ…。 」 ?
2014/10/10~11
西黒尾根~谷川岳~茂倉岳避難小屋(往復)
谷川岳(2013/10/17)
2009年7月、北海道・トムラウシ山(標高2,141m)の夏山でプロの山岳ガイドを含む9人が低体温症で死亡した。初冬を迎える3000mを超える山岳である御嶽山では、今も、高山病や低体温症になりながら、自衛隊員を始めとした多くの人が、高所で頑張ってくれている。そのことをただただありがたく思う。
汗をかきかき西黒尾根を登り切ると、前線通過中の稜線は風がゴーゴーと吹きつけ、空は真っ黒で視界はなかった。汗をかいた体は急速に冷やされるので、シャツを1枚着込みその上にレインスーツを羽織った。
2014/10/10 西黒尾根に取り付く林道から空を見上げる
2014/10/10 谷川岳~この後風が強まりガスが濃くなる
「なぜ、御嶽山に自衛隊派遣なんだろ…。人が必要なら、むしろ警視庁や富山県警の機動隊や山岳警備隊の応援派遣をした方がよさそうな気もするが…」と言うのなら、ジャーナリストである限り、捜索隊の組織・人員、機動力その他の背景や実情、山岳というものをよく知ってからの発言でないと片手落ちになってしまう。
翌朝の標高2,000mの谷川岳の稜線には氷が張っていた。3,000mの高所で捜索活動に当たっている人たちは、本当に大変だとつくづく思う。甚大な自然災害が多発する昨今、自衛隊にお願いしなければならないことは多い。自然界の事象への対応についてイデオロギーを持ち込むのは穏当なことではない。
3,000mもの高所でなくていいし、晴れているときでいいから一度山に登ってもらいたいものだ。ただ単に山に登るそれだけでも辛いということが実感でき、捜索活動に当たっている人に心から「ありがとうございます。」と言えるのに。