牛糞に含まれているクロピラリドがトマトに重大な影響を及ぼしている(2017)

2017/8/15(火)

今年植え付けた約100本のトマトのうち、約85本がだめになって、残ったのはたった15本であった。いずれも種から育てたものだった。次々と葉が巻いて次第に葉が茶色くなって樹がだめになっていく。アイコはヒョウタンのようなくびれた実になってしまった。それまで借りていた市民農園では5年間連作したが、ほとんど障害はでなかった。

2年目の今の菜園と、それ以前の菜園で施用したものの違いと言えば
・牛糞が地元の畜産農家からタダでもらえることから堆肥化して少し多目に入れた
・前の菜園ではもみ殻燻炭をふんだんに入れていたが、新しい菜園では量を減らした
ということだった。

今残っているトマトは、「浅野のけっさく」と「シシリアンルージュ」だけとなって寂しい限り・・・。

以前の菜園での育ち方が、連作にもかかわらずあまりにもよかったので、あれこれ原因を探っていくうちに「クロピラリド」が悪さをしているのではないかということに行き着いた。

農水省のHPのトマト栽培の手引きにも
「輸入粗飼料を給与した家畜排泄物に由来する堆肥では、海外で使用された農薬成分(クロピラリド)により、生育障害を起こす可能性があるため、製造業者に確認し、履歴のしっかりした堆肥を購入すること。また、過剰に施用することのないよう、堆肥の施用量や施用方法を適正に守ること。」
と書いてある。

しかし、今の日本で国産粗飼料を与えて育てている牛など存在するのだろうか。手元にある牛糞堆肥の製造先に電話をして聞いてみると、これほど影響が大きい生育障害の原因となっている牛糞堆肥のことについて、じつに誠実に答えていただいた。

その答えは、日本の牛に与える大豆やトウモロコシなどの穀物飼料とイネ科の草のほとんどは海外からの輸入であり、国産飼料由来の牛糞堆肥を作ることは事実上難しいということであり、自社も輸入飼料が由来の牛糞を使ってたい肥を作っているということだった。

多くの質問は失礼に感じたので、最後に土壌改良資材としての牛糞の使い方を尋ねたところ、堆肥の袋に書かれている使用量に従って施用し、使い過ぎないこととのことであった。

そういえば、地元農家からもらった牛糞で作ったたい肥を使っている菜園仲間の畑も、それ以外の者の畑もトマトはほとんどやられていて、ナスも影響が出ている。

以下のサイトの説明が分かりやすかったので、ご参考まで。