テント泊登山禁止令 (2013)

 北岳を嶺朋ルートからテントを担いで登っている際、いつものことのようにくるぶしの下に違和感を感じた。いつもは、がまんの範囲内だったし、歩行・登山に支障のある状態にはならなかった。今回は、小太郎尾根分岐と二俣から下った樹林帯で、大腿四頭筋やふくらはぎをねんごろにストレッチしたので、筋肉はすっかりリフレッシュされ、サクサクと歩けたし、膝にも何の症状も現出しなかった。
 
 ところが、帰宅して靴下を脱いだところ、左足のくるぶし付近が広範囲にポッコリ腫れている。赤くはなっていないが痛みはある。体重を移動するとくるぶし付近が特に痛い。膝痛のために処方してもらったロキソニンテープを貼ること7日間、ようやく症状は消えた。
 
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極上のテント場
 
 2012年、テントを買い替えた。あと4年はテントを担いで山を歩くぞと。膝痛が治らないときに通っている病院の山好きな整形外科の先生(年配の女医さん)は「体重を落としなさい。筋肉を鍛えなさい。山をいつまでも歩くには大事にしなさい。」と言って、いつも励ましてくれていた。
 
 今回、抗炎症剤を処方してもらうためにこの先生の診察を受けたところ、くるぶし周りのレントゲン写真を見て、「テントはもうおしまいにしなさい。」「山小屋に泊まりなさい。」と、テント泊禁止令を発するのだった。もうほとんど症状が無くなってから行ったから、腫れたことの原因などは分からなかったが、くるぶしの骨がわずかに石灰化しているということだった。(石灰沈着性腱炎?)
 先生は、「加齢」と言う言葉も使った。あまり耳にしたくない言葉だ。
 
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この頂上にテントはたった2張り 10月の3連休だと言うのに
 
 先生の医療上の患者への指示は「テント泊登山禁止」であるが、エアーマットもR値の高いものを新調したしたので、夏山ばかりではなく、雪の降る時期のテント泊もやりたい。夏の山小屋で、布団1枚で見知らぬ男同士が体を寄せて3人で寝なければならないのなら、脚が腫れても我慢しよう。それよりなにより、山のてっぺんでテントを張って寝ると言うことがどれほどの快感か、そのために犠牲(がまん)にすべきことの一つが、老化した体の酷使による劣化と言うことだろう。