百名山があと2座を残すだけの5歳の幼稚園児に教えられる(2013)
山自体は、天候の急激な悪化で夜間、雷や土砂降りの雨で不安な夜を過ごした晩もあったが、昼間の登山中はどうにか降られずに済んだ。
茶臼小屋のテント場
今回、2日目に茶臼小屋から光岳を往復するために未明にテント場を出発したが、この子たちより1時間前に出たにもかかわらず、光小屋で追い着かれた。2時間先に出て途中で抜かれた大人3人グループは愕然としていた。3日目は横窪沢小屋を同時に出て、途中この子らが大休止しているところをスルーして必死に先に進んだが、沼平ゲートで追い着かれてしまった。
山を登る姿、山を下る姿は、道に足がピタッと吸い付いているように、あるいは蝶々がひらひら自在に飛ぶように登山道を進んで行く。ガレ場の下り方を見ると片手を軸にすいすいと何の躊躇もなく飄々としている。それはおじいちゃんも同じことだった。
この世には、平凡な自分の尺度では分からない能力を持った人がいるのもだが、おじいちゃん(私もおじいちゃんである)に聞くと、安全確保のためにどれほど教え込んだことか、と話されていた。3日間、2人のちびっこ登山家及びおじいちゃんといろいろ話す機会があったが、なにかと教えられる素晴らしいパーティであった。
そのうちの一つ、光小屋近くの登山道に大きなゴミ袋が落ちていた。おじいちゃんは、それを拾ってザックに詰め、持ち帰っていた。光小屋の小屋番さんとそんなことに話が及ぶと、今でもザックにゴミをくくり付けて歩く人がいるとのことであった。(まさか今の時代にそんな古臭いごみの扱い方しか知らないなんて、この子供たちに見習ったらどうか。)