山小屋と特別権力関係 (2013)

穂高岳山荘90周年の記念誌が、小屋泊まりの人に無料で配られていた。
我ら(貧乏人)テント泊者は、小屋への営業収入に寄与しないことからその配分には与れなかったが、
小屋のホームページから申し込むと誰もが無料で送付してもらえる代物なので、
山の上で、まるでファーストクラスと格安航空券のような差別(区別)的待遇をわざわざする必要もないのに、
クラス分けが好きだったようだ。
 
そんな記念誌に、こんな記述があった。
「山小屋の人間が、登山客を厳しく指導する時代は終わった。」
「叱る」とも言っている。
昔は警察や刑務所の職員、果てには教員にも客体との関係において特別権力関係があるとされていた。
しかし、それは遥か以前の話であって、山小屋がいまどきそのような考え方を維持しているとしたら、
時代錯誤も甚だしい。
 
同誌で市毛良枝さんが、「日本の山々に山小屋がなかったころに登ってみたかった」と書いている。
いやぁ、そんなところは今でもまだあるのだけれど。
ペテガリ岳東尾根~カムイエクウチカウシ山~エサオオマントッタベツ岳はどうだろうか。
市毛さんの望みはこの主稜線でかなえられるはずだ。
 
2013年、カムイエクウチカウシ山へのアプローチ林道が工事により通行止めだと言って、
ほとんど、この稜線は歩かれていない。
あれこれと声だけは勇ましいが、カムエクのアプローチがダメだからと言って歩くこともしない。
もったいない話ではないか。
 
という本人は、寄る年波で何とかMLと同じ、口だけでもう歩くことは辛くてできない。
 
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