登山と水分摂取

~~~水の補給ができない山岳を縦走する際、1日当たりの必要飲用水量をどのように考えるかの参考として~~~
 
・人間の身体の水分量~50%から60%
 
・体内での水の働き
 ①溶解作用(体内で物質を水で溶かすことで化学反応を起こす)
 ②老廃物の排泄や栄養物質の運搬
 ③体温保持(体液の働きにより、すぐには体温は低下しない)
 
 ※体温が高くなると発汗し気化熱で体温を下げる。
 ※体内から水が失われると脱水症になる。
 
・1日の水分摂取量(安静時)2,500㏄
  食物から1,000㏄
  飲み水から1,200㏄
  代謝水 300㏄ 代謝水:摂取した食物の栄養素が代謝されて生じる水)
 
・1日の水分排泄量
  尿 1,300㏄
  大便 200㏄
  不感蒸泄 1,000㏄ (呼気・皮膚)
  (有効発散=体温低下、無効発散=流れ落ちる汗、体温低下に寄与しない)
 
 ①熱射病~発汗による脱水・循環血液量の減少
 ②熱疲労~発汗、脱水・塩分不足
 ③熱けいれん~発汗に伴う塩分の喪失、電解質を含まない水の大量補給
 ④熱失神~長時間の直射日光下での発汗による脱水
 
・給水と糖質
 ① スポーツドリンクのナトリウム(塩分)は、0.9%より薄く
 ② 糖質は3~6%
   体液より濃いと薄めようとして水が腸管に移り、ますます体内の水分が奪
  われるので、水分補給を目的にした糖質の抑えられてスポーツドリンクを選   ぶ。)