農作業に従事・・・(2016)

2016/12/09

外国人技能実習制度の運用について、諸々の問題点が指摘されて久しい。要は、低賃金労働者として外国人を日本に入国させ、実態は単純労働に従事させて労働力不足を補い、甚だしきに至っては、人権を損ねる扱いをしているということが大きな問題となっている。

訳あって、農家の人手が足りず3時間でいいから応援してほしいという懇願に応じて首都近郊の野菜農家の仕事をすることになった。仕事が始まるとすぐ、農家の重鎮が見回りに来て、わずかな作業の手際不足を指摘し怒る。3時間の農作業中、水を飲むこともトイレに行くことも許さないというゆるぎない姿勢を保った監督の目を光らせ、まるで機械のように、あるいは奴隷のように働かせる。

そうだったのか。スーパーの野菜売り場になれべられる野菜たちは、このような虐げられた人たちの働きもあって、あの値段で売られているのか。農家の人とっても、そのような人の使い方をしなければ経営が成り立たない現実もあるのだろう。そんな農家の現状を逆手に取って中間搾取することが成り立つという現状を放置していることが大問題であろう。

外国人技能実習生が大量に逃げている。それは当初から日本で金を稼ごうという魂胆で技能実習生を利用して日本への入国を遂げている者が少なくないらしい。しかし、トイレ休憩も水を飲む時間も許さないような農家のやり方を体験するに、人を人として見ることもないきわめて差別的で人を蔑んだ歴史が今もこの世に綿々とと続いているという現実を肌で感じることができた一日(3時間)であった。